第3章

第12帖「須磨(すま)」~ 

第18帖「松風

藤壺、葵の上など源氏が愛した女性たちとの別れの日々が続き傷心していた源氏に、追い打ちをかけるように朧月夜とのスキャンダルが公にされたことで、源氏を取り巻く環境はどんどん悪化していました。

ある夜のこと。

源氏は亡き父・桐壺帝の夢を見ます。夢の中で桐壺帝は「一度環境を変え、今の悪い状況を断ち切りなさい」と源氏に告げます。

桐壺帝のお告げの通り、源氏は 愛する紫の上を残したまま京の都を離れ、須磨(兵庫)へ移り住もうと決意します。

 

しかし いざ須磨へ移り住み生活が落ち着いてみると、源氏の心にはどっと寂しさが押し寄せました。

身の回りの世話などをしてくれる数人の従者のみを引き連れて引越しだったので、暇な時に楽しくおしゃべりができるような相手もおらず、孤独な日々が続きました。

 

京都の朱雀帝や紫の上たちも、源氏のいない日々を寂しく思っていましたが、弘徽殿大后(こきでんのおおきさき)の反感を買うことを恐れて、手紙の1通もしたためることができないような状況でした。

(ちなみに、同じく朧月夜を愛していた朱雀帝は「自分の魅力が源氏を上回れなかっただけのこと」と源氏と朧月夜の浮気関係を許していました。本当に人格者です。)

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源氏が京の都を離れ、須磨に引っ越したとの噂を聞きつけ、須磨の権力者として有名な明石入道(あかしのにゅうどう)という男性が「自分の娘と結婚をしてはもらえないか」とやってきました。

都に残してきた紫の上のことを思い、正直 縁談には乗り気ではない源氏でしたが、この地の権力者である明石入道の頼みを断りきることができません。

対して、明石の君自身も「自分のような女は、源氏のような素晴らしい男性にはふさわしくない」と、結婚の話には乗り気ではありませんでした。

そんな二人の本音をよそに縁談は進み、明石の君は源氏の愛人となりましたが、実際のふたりの関係は冷ややかなものでした。

 

 

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年が変わり、朱雀帝から「都へ戻ってきなさい」との知らせが届きました。

この頃、明石の君は源氏の子を妊娠しており、源氏は明石の君のことを次第に好意的に思うようになっていました。

しかし源氏は、妊娠中の明石の君を須磨に残し、一人京都へと戻りました。

 

病気がちになった朱雀帝は、帝の位を退任すること(譲位)を考え、次の帝には、藤壺の子・冷泉帝(れいぜいてい)が即位しました。

この冷泉帝の本当の父親が、先の帝・桐壺帝ではなく源氏であることは、源氏と藤壺(そして読者)だけが知る事実です。

 

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明石の君が女児を出産したとの手紙をもらった源氏は、紫の上に、明石の君との関係のことを打ち明けました。

当然 紫の上は「事実婚とはいえ、自分という者がありながら…」と、明石の君への嫉妬をあらわにします。しかし源氏は、そのような姿さえも愛らしいと思っているどころか、紫の上に「明石の君のもとに生まれた娘を、養育しないか」と持ちかけるのでした。

 

「別の女性との間にできた子どもなんて…!」と、この話を断るのかと思いきや、子どもが好きな紫の上は、まんざらでもない様子だったので、明石の君の娘・明石の姫君(あかしのひめぎみ)は、紫の上の養女として京都に迎えられ、紫の上の実の娘のように大変可愛がられて育てられました。

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