第8章

第42帖「匂宮(におうのみや)」~ 

第44帖「竹河(たけかわ)

光源氏の死後、物語はもう少しだけ続きます。

主人公は、

源氏の正妻・女三宮に生まれた源氏の息子・薫(かおる)。

そして、

源氏の生涯の妻・紫の上が養育した明石の姫君の息子、つまり源氏の孫にあたる男児・匂宮(におうのみや)の二人です。

 

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源氏亡きあと、源氏に肩を並べるほどの素晴らしい男性はなかなか現れませんでした。

源氏と葵の上の長男である夕霧は、確かに姿こそ源氏に似ていましたが真面目で律儀な性格だったため、源氏に比べて「いまひとつ魅力に欠けるつまらない男」だと、宮中内の女性たちからは言われていました。

藤壺と源氏の不倫関係から生まれた前帝・冷泉帝も、その姿が源氏に瓜二つであると思うものもおりましたが「そのような話は、先の帝に対して失礼だ」と口に出すものはいませんでした。

 

そのような話題の中で、あの二人ならば、源氏にもひけをとらないほどの美男子なのでは、と名前が挙がったのが、薫と匂宮の二人でした。

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薫はその名前にふさわしく、生まれつき、香を炊いたようなとても良い香りのする体質をしていました。

源氏の死後は、子供に恵まれなかった冷泉帝と、その妻・斎宮の女御によって育てられ、二人からの愛情を一身に受けていました。

何不自由のない環境で育った薫でしたが「自分の本当の父親は源氏なのだろうか?」と自分の出生に対して疑問を抱いていたせいか、まだ若いのに人生についてやや悲観的なところがありました。

薫は成人してまだ間もないうちから出家について考えるようになり、どこか影のある愁い(うれい)を帯びた美男子でした。

性格は律儀で真面目、細やかな心遣いのできる、まめな人物でしたが、厭世的な性格であったので、女性関係に関しては消極的な姿勢を示していました。

 

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一方の匂宮は、源氏の屋敷で共に育った薫のことをいつもライバル視していました。

クールで陰のある薫とは真逆の性格で、明るく社交的な美青年で、恋愛に対しても積極的な姿勢を示していました。

しかし政略結婚ではなく自由な恋愛を謳歌したいと思うような性格であったため、他の貴族たちから「ぜひうちの娘の婿に!」と縁談を持ち掛けられても、断り続けていました。

「匂宮」という名前は、生まれつき身体から良い香りが漂う薫に対抗して、いつも強い香りの香を炊きしめていたことから人々に呼ばれるようになった名前です。

※ 第8章以降のあらすじは、紫式部公園内「四季花壇」に設置中の看板QRコードより閲覧できます。

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